2種類の黒

コラム

前回のコラムの続きですが、今回は「黒」の印刷についてご紹介。黒も200色はありません(笑)ので、スミベタリッチブラックの2種類を紹介します。

皆さんも小学生の頃、図工の時間に絵の具をパレットに出して絵を描いた記憶を思い出していただきたいのですが、3色以上の絵の具を混ぜると、途端に濁ってダークグレーや黒くなったことがあると思います。色の三原色によって赤、黄、青を混ぜると黒になる、と習ったことも覚えているでしょうか。

これは印刷の工程でも同じで色の三原色に対応したCMYK(シアン+マゼンタ+イエロー+黒)によって表現します。この表現を減法混色と呼ぶこともあります。
ここでふと疑問に思ったことでしょう。3原色なのに4色じゃないか、黒って何なんだ、と。笑
理論的にはCMYの3色を100%ずづ混色すると黒になるのですが、現実では濁ったグレーとなってしまうため、Kを併せて使用し黒を表現します。つまりCMYKの4色で完璧に色を表現しているんですね。

少し話は変わりますが、コピー機でモノクロ(白黒)印刷というボタンがあるかと思います。これは黒のインクのみを使い、グレーの濃淡で表現する印刷方法です。
モノクロ印刷で特に黒を表現する際はK=100%(スミベタ)と言います。文字や細かい表現をするのに適している反面、広範囲に印刷するとピンホールのような穴抜けが発生することがあります。
カラー印刷で黒を表現する方法としてはリッチブラックがあります。C=M=Y=40%、K=100%の比率が一般的ですが、黒の他に3色を掛け合わせるため、鮮やかな黒を表現することができます。デメリットとして、細い線の境界線などで見当ズレ(境界のブレ)が起こる可能性があります。
どちらの方法もメリット・デメリットがあるため使い分けが重要になります。私も印刷データの作成時に注意しているポイントの一つです。ということで今回は2種類の「黒」を紹介してみました。