スタバの紙袋

コラム

3月に入り、少し暖かい日も増えてきました。共和印刷のある大阪ではスギ花粉も飛び始めたようで私の鼻がムズムズする日も増えてきています笑

先日X(旧Twitter)で「スターバックスのテイクアウト用紙袋の印刷技術が凄い!」と話題になっていました。2024年春デザインの紙袋のことですね。ということで私も気になったので、スターバックスラテを購入し袋を貰ってきました。

こちらがオモテ
コチラがウラでしょうか

ご覧の通り、春らしいとても華やかなデザインになっています。シンプルな緑のスタバロゴの袋も良いですが、季節限定のこの袋もオシャレですね、クラフトの紙袋とは思えないクオリティ。オフセット印刷(通常のカラー印刷)ではなくフレキソ印刷で製作されているようです。
・6色以上の特色でフレキソ印刷なのに版ズレが見えない
・印刷の特性を完璧に理解した上でのデザイン
の2点がTwitter上で絶賛されていましたが、正にその通りですね。
フレキソ印刷といえば凸版印刷と呼ばれる手法で、色のついた部分が凸になった版を使います。身近でイメージしやすいところでいうと、印鑑や消しゴムハンコ、浮世絵のような版画ですね。一つの版で単色を表現するため、クッキリとした色の仕上がりになるのが特徴です。デメリットとして、単色のため色のグラデーションが難しい点、版ズレが起こりやすい点が挙げられます。小学校の図工でやった版画を思い出してもらうと分かりやすいですが、版をズレずに色を重ねていくのが難しかったと思います。


拡大してみると分かりますが、をインクの網点(ドット)の密度で表現しています。疎の部分は薄い色に見え、密の部分は濃い色に見えますね。単色なのでカラーグラデーションは表現できませんが、濃淡を上の写真のように表現できます。
ここまで素晴らしいと、企画段階で印刷方法とデザインのどちらが先に決まったのか気になりますね。版画と同じ凸版印刷のフレキソだったので、日本版画で有名な葛飾北斎作「富嶽三十六景」風の和デザインにしたのか。はたまた、和デザインだったためフレキソ印刷を採用したのか。
ともあれ、こんな高度な紙袋がコーヒーを買うだけでタダで貰えるなんて…。気になった方は是非スターバックスでコーヒーを買って袋も手に取ってみてください。