白って200色あんねん

コラム

以前、テレビ番組で某タレントさんが「白って200色あんねん」と発言されSNSで話題となっていました。これを受けて「○○って●●あんねん」という構文もネット上で流行していたことも記憶に新しいです。このタレントさんの本意とは異なりますが、白と一口に言っても様々な”白”があるというのは正しいと思います。クリームがかった白だったり、水色のような爽やかな白もあります。

我々共和印刷は印刷会社ですので、画面上や印刷された紙の「色」というものは重要になってきます。ちなみにこの”白”という表現は、画面上と印刷上では大きな違いがあります。テレビやスマホの画面上の白は液晶ディスプレイの光ですので「光の三原色」から、RGB(赤、緑、青)を掛け合わせて表現できるのですが…印刷上では白をどのように表現すると思いますか?

答えとしては「通常、インクでは表現できない」です。液晶画面上のRGBと違い、印刷では色の三原色であるCMYK(青、赤、黄色、黒)を使い印刷するので、普通は白を表現することができません。白のCMYKの成分はC=M=Y=K=0ですので、紙の色がそのまま出てしまいます。

とすると、黒い紙に白い文字を印刷するときはどのようにすればよいのでしょうか。一つの手としては特色という「白いインク」を使用した方法です。これだと黒い紙に白いインクで文字を印刷することが可能です。ただこの手法にもデメリットはあります。白インクは裏の色が透けてしまうため、例えば黒い紙に印刷する場合は重ね塗りの要領で2、3度上から印刷する必要があり、また普段カラー印刷をしている印刷機だと、日頃から使用しているカラーのインクが機械に付いていて僅かに染み出し、白と混じってしまいます。この手法だと綺麗に発色させるのが難しいのです。そもそも、家庭用のプリンターではCMYKのインクしか対応していないものがほとんどですね。

もうひとつ方法があります。逆転の発想で「白い紙に、文字を白抜きで、文字以外を黒く」印刷する方法です。この方法だと白インク無しで白を表現できます。実はこちらの方がかなり一般的な手法です。家庭用のプリンターでも可能ですね。用紙の色が白い部分として残るので、少し注意が必要です。

次回は「黒」の印刷についてコラムを書いてみようと思います。