製本(綴じ方)の種類

印刷情報

印刷物・書籍などを取り扱う時に、必ず必要となるのが製本行程です。
『製本』とは、大きな紙に印刷を施した後、印刷物・書籍にするべく、カタチを整えていく作業で、主にページとページを綴じる方法によって名称が違ったりします。
綴じ方の違いで「無線綴じ」や「中綴じ」、「平綴じ」と言った呼ばれ方がされます。
製本自体の「こだわり」や「仕上り」の差で表現される「上製本」や「並製本」などは、綴じ方はほぼ「無線綴じ」となります。
今回は、綴じ方の違いである、「無線綴じ」「中綴じ」「平綴じ」などをご紹介いたします。

【無線綴じ】
無線綴じは、針や糸を使用せず、接着糊で本文と表紙を綴じる製本方法で、本文の背部分に接着糊を付けて、本文を固めて表紙で包んで接合します。
ページ数が何十ページにもおよぶ分厚い冊子などは、針や糸で綴じるのが難しいですが、無線綴じならページ数が多くても、綴じることができ、背表紙ができる仕上がりになります。
カタログ・アルバム・文庫本・記念誌などページ数が多い書籍や、上製本などは無線綴じで製本されることが多いです。
いずれもページ数にある程度の分量がある冊子に使用されるのが一般的です。
逆にページ数が少ない冊子などでは、糊で接着するのが難しくなるため、製本できない場合があります。

【中綴じ】
用紙の中心部分を数カ所、針で綴じて二つ折りにする製法方法です。
ホッチキスなどで綴じることが多いので「針金製本」とも呼ばれています。
針の長さが足りず通らない、分厚い冊子には向いていませんが、十数ページ程度のページ数から綴じることができ、少ないページ数の冊子に向いています。
簡易的な製本方法のため、無線綴じに比べるとやや保管性は劣りますが、低コストで開きの良い冊子を作ることができます。
中綴じは見開き用紙(仕上り頁4ページ分)の倍数でないと製本できないので、8頁、12頁、16頁と4の倍数でページ数が決められます。
使用する用紙の厚みにもよりますが、おおむね48~52頁ほどが中綴じの最大ページ数になることが多いですね。これ以上ページ数が増えると、綴じが甘くなり、書籍としては不格好になってしまいます。
週刊誌・会報誌やアンケートなどの小冊子・パンフレット・フリーペーパーなどによく使用されます。

【平綴じ・網代綴じ・ミシン綴じ・糸かがり綴じ】
その他にも、ホッチキスで数カ所を用紙面に合わせて綴じるだけの『平綴じ』や、用紙に対して針金等を使わず本の中心を糸だけで綴じる『ミシン綴じ』は、環境にやさしく、安全な印刷で、紙面の面積を広くとることができます。
さらに、無線綴じの背に切り込みを入れ糊を浸透させ全体を接着することにより耐久性を上げた『網代綴じ』や、背の部分に糸を通して綴じる製本で綴じた部分まで開くことができ、強度が優れている『糸かがり綴じ』など、用途と費用にあわせて、いろいろな綴じ方があります。

綴じ方ひとつ取っても、いろいろな方法がある印刷物・書籍の世界。
共和印刷ではお客様のニーズにあった作り方で制作させていただきます。
ご不明な点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。