秋霖

コラム

九月に入って少し暑さも和らいできましたが、雨の日が増えてきましたね。豪雨で被害が出ているところもあり、これ以上ひどくならないことを願うばかりです。
秋雨前線が下りてきて、台風も多く雨が続くこの季節。日本語とは面白いもので、天気に関する言い回しがとても豊富です。秋雨(あきさめ)、秋霖(しゅうりん)のほかにも、すすき梅雨なんて言葉もあるようです。霖なんて漢字は日常でなかなか見かけませんが、この字ひとつで「長く続く雨」という意味があるそう。

英語は単語ひとつで意味を持つのに対し、漢字は文字自体ひとつひとつに意味があります。なので漢字をよく見てみると、なるほど!これは上手い事できてるなぁ!と興味深い発見があります。最近面白いなと思ったのは「訛」という漢字なのですが、これは読める方も多いでしょうか。言葉が化けると書いて「訛(なま)る」。本当にそのままです(笑)
もう少し詳しく調べてみると漢字の成り立ち方で4種類に分けることができ、どうやらその中でも会意文字と言うもののようです。そういえば他の象形文字や指示文字、形声文字も小学校で習った記憶が薄っすらありますね。。

漢字は文字一つだけで意味を持つことが多いので、逆に知らない漢字でも何となく意味が分かるときがあります。これを応用したとても面白い発想の産経新聞社主催の「創作漢字コンテスト」というものがあります。この世に存在しない漢字を自由に創作し、しかし部首等の漢字のパーツからユニークな意味を持たせる、そのアイデアを競うものです。今までに9回も開催されていて、過去の受賞作の記事を読んでると、みなさんの発想の面白さと柔軟さに唸らされます。(良かったら検索してみてください)
普段わたしたちが本やネットで気にも留めずに読んでいる文字も、少し踏み込み覗いてみれば深く魅力的な世界が広がってる、そんなことを考える秋の始まりの拙文でした。